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倒産の危機から予約の取れない店に成長させたマーケターのストーリー

ターゲット分析により集客は10倍になる

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どのようなビジネスでも共通する成功の法則がいくつかある。

その一つがターゲット分析。

通常、ターゲット分析という男女、年齢、職業といったものを想像すると思う。

しかし、僕が唱えるターゲット分析は男女、年齢、職業といった類のものではない。

もっともっと極めて大事なことだ。

このブログでは具体的にその手法を公開したいと思う。

 

結論から言うと、ターゲット分析の目的は、自身のビジネスが飽和状態にあるのか、もしくは成長段階にあるものなのかを正確に把握することだ。

これは、経営関連の書籍やマーケティング書籍に良く書かれていることだが、実は的確に正確に把握できている経営者は非常に少ない。

 

男女、年齢、職業などに関するターゲット分析などは分析でも何でもない。

そんなものは商品を見れてばどんなバカでもわかるものだ。

 

日本は何でもある国。

どんな商品でもある国で差別化は非常に難しい。

差別化といっている特徴は、差別しなくてもよいものばかりが溢れている。

 

僕はこれを「商品提供者側の押し付け差別」と呼んでいる。

こういった現象は、男女・年齢・職業などにいつまでもスポットを当てているから、本質が見えてこないから起こるのだろう。

 

本質は、市場が飽和状態で供給過剰になっているか?そうじゃないかだけになる。

 

市場が飽和状態というのは、儲からないという常識を捨ててください。

飽和状態になるほど、需要があるのだから戦略を変えるだけで絶対に儲かる。

 

要は戦略が間違っているから儲からないだけ。

 

飽和状態のビジネスモデルを検証するには飽和状態のランク分けが重要なポイントであり、戦略の基礎となる。

 

飽和状態のランクとは

  • 1.完全な飽和状況にあり、競合と値下げ合戦の状況
  • 2.飽和状況にあるが、値下げ合戦にはなっていない状況
  • 3.少し飽和状況にある。まだ商品を体験したことがないお客様もいる状況

 

上記の中で1のケースが多いと思われるかもしれないが、実は一番多いのは2、3になる。

もし、自身のビジネスが2,3のランクであれば大きく飛躍できるチャンスだ。

 

ビジネスは、あるステージまでいくと価格というものが一番重要になってくる。

問題は自身のビジネスが2、3ランクの状況にあるのかを判断できないことが多いということだ。

だから、自身のビジネスが価格重視のステージになっているのかをテストする必要がある。

 

1週間でできるターゲット分析方法

リスティング広告というものをご存知だろうか。


Google AdWords | Google クリック課金型(PPC)オンライン広告

yahooやgoogle検索エンジンなどの検索結果ページに掲載される広告のこと。

検索語と関連性の高い広告を選択して表示する広告で一般的に広く使われている。

申込みを行えば簡単な審査で誰でも利用することができる。

広告主は広告金額を自由に設定できるので、小額でターゲット分析のテストをしたい時などにはもってこいの広告サービスだ。

 

このリスティング広告で実際に広告を掲載し、消費者が何を求めているのかをリサーチする。

テスト方法についてはとてもシンプルなので、インターネット広告についての知識が何もない人でも簡単に理解ができるでしょう。

ここではわかりやすく説明するためにお客様が対個人であるBtoCビジネスを例にあげて説明したいと思います。(BtoBでも同じテストができます)

 

ビジネスモデルBtoC 美容室の場合

美容室を例にあげたのには2つの理由がある。

  • 1.美容室は飽和状況にあるビジネスのように思われがちだが、エリアによっては飽和でもない状況も存在する。
  • 2.美容師のような職人気質の経営者の場合、飽和状況になっていても価格重視の戦略に踏み切らないことが多い。だから「飽和状況にあるが、値下げ合戦にはなっていない状況」のようなケースが生まれる。

 

広告ポイント

次のようなリスティング広告をテストします。

 

広告A

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広告B

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2つの広告は対照的なものを用意しました。

リスティング広告は検索ユーザーのエリアを指定することができます。

ですから、上の広告では代官山や代官山美容室で検索したユーザーや渋谷区・港区など代官山周辺エリアのアクセスポイントから検索したユーザーに向けて配信することができます。

 

市場が飽和状況にある場合は価格に関する広告タイトルに反応します。

価格に関する広告は広告Aです。

広告Aは半額や無料といったキーワードを必ず入れることにより、検索している人に価格が安い美容室があることを注意を引かせます。

このテストのために期間限定で半額キャンペーンや無料サービスを作るといいでしょう。

 

市場がまだ飽和状態になっていない場合は、良質なもの・安心なものに関する広告タイトルに反応します。

それは広告Bです。

広告Bは安心や技術といったキーワードを必ず入れることで、検索している人に良質で安心な美容室があるという注意を引かせます。

これは日本に上陸して間もない人気商品や急に注目が高まった商品など、認知はされているがまだ商品体験をしたことがないような場合は効果的な広告となります。

 

このような全く性格の違う広告を実際に出稿してWEB上に掲載するのです。

消費者が反応すれば自然とクリックします。

2つのクリック数を比較し多くクリックされた方が市場に求められているものなのです。

クリックの割合は同数ぐらいというなことはありません。

だいたい、9:1 とか8:2 ぐらいの割合になります。

 

広告のタイトル等(地域など)は若干違いますが、上記は実際に試した広告です。

その結果、8:2で広告Aが多いというものでした。

 

これにより、この美容室があるエリアでは価格がお客様を惹きつける大きなキーワードということになります。

 

ターゲット分析結果が価格帯となったら

テスト結果で価格がお客様を惹きつけるキーワードとなった場合は、自身のビジネスは飽和状況にあると判断してよい。

要するに2,3のランクにあるということだ。

このテストの結果で2,3ランクとなった場合は、価格戦略に舵を切れば一気に競合に対して優位にたつことができる。

 

どのような商品でもお客様は商品に対して「品質と安心安全」の価値観を下げることはない。

「品質と安心安全」の価値観のためなら、業界最安値でなくてもお金を払う。

テスト結果が2、3ランクとなった場合、価格破壊が始まるのは時間の問題となってしまう。

 

僕が経験してきたいくつかの業界でも、実際に価格破壊が起こった。

そのスピードはあっという間で変化できない企業は淘汰されてしまった。

 

変化に対してどのように取り組むかは経営者の腕の見せ所となる。

品質を落とさずに業界最安値に近い価格設定にするにはどうすれば良いか?の答えを探し出すために何度も収支シュミレーションを行うことで必ず出てくる。

 

淘汰された変化できたなかった企業は、経営者がその努力を完全におこたっていたからだ。

価格戦略に踏み切ることは、自社ブランドを崩壊させるといったような書籍をよく見かけるが、大きな間違いだ。

それは、学者の考えであり机上の理論である。

現場を知っている者であれば、そんな無責任なことは決して言えない。

 

テスト結果が2、3ランクとなったなら今すぐにでも価格戦略へと舵を切るべきだ。

それにより集客は10倍になること何て珍しいことではない。

 

価格戦略は単に安くすることが目的ではない。

価格を変更しても利益が出る体制を作ることが目的だ。

そのためには、戦略を進める過程で様々な問題が起こる。

そしてそれを一つ一つクリアしなければならない。

そのほどんどの仕事は経営者の仕事だ。

 

競合より、少しでも早く舵を切ることでその問題にきちんと取り組み、対処し、安定した収支を作り上げることができる。

それは将来の安泰を意味する。

 

「競合がやったから、ウチもやる」では全てが後手後手となってしまう。

それは負けなくて良い試合で負けることになってしまう。

 

ビジネスは先手必勝に限るのだ。

 

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