経営コンサルタントの種類と正しい選び方
はじめに知っておきたい経営コンサルタントのタイプ
経営コンサルティングといっても、その定義は幅広い。
経営コンサルタントにもそれぞれ得意分野があり、経験値も違う。
経営コンサルタントの種類を大きくわけると次のようになる
財務系コンサルタント
税金対策から増資、融資、IPO、助成金対策までのコンサルティングを行う。
新規の資金調達を考えている企業からの相談が多い。
ほとんどが税理士や会計士がコンサルティングを担っている。
人事系コンサルタント
人事系経営コンサルティングは3つある。
労務問題については社会保険労務士が担っているケースが多い。
新卒採用や高度な技術を必要とするエグゼクティブ求人などの採用業務については社会保険労務士では改善できないので、専門のコンサルタントや外部の人事コンサルティング会社にコンサルティングを行う。
業務マネジメント系コンサルタント
製造業の生産管理や品質管理、物流の業務改革を得意としている経営コンサルタント。
例えば製造業であれば、効率的な業務フローを作成して能率を上げ人件費を節約するといったような仕事になる。
主に経費の削減が大きなミッションであり、社内資産の有効活用の技術に長けている経営コンサルタントが多い。
マーケティング系コンサルタント
新規顧客の開拓や既存客の流出を防ぐといった集客に関する仕事。
一般的に次のようなケースでマーケティング系経営コンサルタントを探す。
- 現状の営業方法では売上が頭打ちになっている
- 競合にお客様を取られているため、一刻も早く打開する必要がある。
- 新商品を開発したが、これまでとは違う事業畑なので効果的な営業方法が見出せない。
このように経営コンサルタントといってもそれぞれは全く違う特徴を持つ。
何でも屋の経営コンサルタントを信用すると失敗する
例えば、現在契約している財務系コンサルタントに業務系やマーケティング系の経営コンサルタントの依頼もするといったことはないと思う。
しかし、犯し易い間違いとして業務系コンサルタントにマーケティングのコンサルティングもお願いするといったことは多いのだ。
経営コンサルタントは口達者な者が多い。
いや、口が達者であるということが経営コンサルタントを生業としていくための最低条件かもしれない。
だから、きっと経営者が「営業方法がわかならい・・」「新規開拓しないとマズい・・・」といった相談を持ちかけたら、経営者が知らないであろうマーケティング用語を巧みにつかって、信用させてから「自分に任せてもらえないか」といった提案を行う経営コンサルタントも実在する。
そして自分の息のかかったマーケターを紹介し、マーケターからマージンをもらうといったことをする。
財務・人事・業務・マーケティング、この4つのコンサルタントは全く畑が違う。
経営コンサルタントは良く勉強するため、それぞれの机上の理論は詳しい。
畑違いのことに関して質問しても、いっぱしの答えが返ってくる。
しかし、その応えを信用してはいけない。
いっぱしの答えと正解は違う。
そこに正解があるとすれば、畑違いの経営コンサルタントを探す方法を提案することだ。
なんでもできる経営コンサルなどは絶対に存在しない。
自身の利益ばかりを追い求めるような経営コンサルタントは要注意である。
経営コンサルタントの探し方
財務系・人事系・業務系の経営コンサルタントを探すのには特に苦労はしない。
財務系・人事系は既に顧問契約している会計士・税理士・保険労務士にコンサルティングしてもらいたい案件をぶつけるだけだから。
業務系については、その業界に特化した人物だからほとんどが紹介となる。
競合他社での経験や異業種でも似たような生産工程でのコンサル経験があるといった人物がパートナーとしてふさわしい条件になる。
問題はマーケティング系の経営コンサルタントの探し方だ。
よく経営コンサルタントに高い金を払って何の変化もなかったというような話を聞くこことがあると思いますが、詐欺的なものも含めてマーケティング系の話が一番多い。
これには非常に注意が必要で、経営者自身もある程度勉強が必要になる。
注意すべき点は次のようになる。
1.今までの実績がビッグビジネスorスモールビジネス
2.BtoB と BtoCどちらの集客が得意であるか?
3.ビジネスをゼロから1にした実績があるか?
4.インターネットでの集客実績
上記はマーケティング系の経営コンサルタントを選ぶ上で基本中の基本を並べてみた。
1のビッグビジネスとは数億円単位のマーケティング費用を必要とするようなものだ。
例えばスマホゲームをテレビCMとネット広告で連動して集客するとか、コカコーラを数万人単位のイベントで盛り上げるといったようなもの。
BtoBだったら官僚や政治家も巻き込んで国をあげて輸出するような製品になる。
一方スモールビジネスとは町の商店(美容室・焼肉店・エステなど)やナショナルブランドではないブランド(化粧品・グッズ)などになる。
BtoBでは業務用生ゴミ処理機のメーカーとか空調設備業者とか規模の大きくない部品メーカーや樹脂加工会社などである。
なぜビッグとスモールを分けたかというと、それぞれ全くマーケティング手法が異なるから。
ビッグビジネスは大手の広告代理店が中心となってすすめるプロジェクトになる。
大手広告代理店出身の経営コンサルタントはビッグビジネスが当然得意だ。
逆にスモールビジネスではWEBマーケティング会社の仕事になる。
ホームページをリニューアルして検索エンジン対策を行い購買もしくは問い合わせの行動をユーザーにとらせるまでの作りこみを行う仕事だ。
前者と後者では仕事の内容そのものが全く異なるだ。
2の『BtoB と BtoCどちらの集客が得意であるか?』については、あまり重要視されていないが実は重要な要素だ。
BtoB と BtoCでは購買動機、購買過程が全くことなる。
そのため、購買までの導線が違ったりする。
特にBtoBのWEBマーケティングの経験が豊富な人材は少ないため、担当者によって当たり外れが大きい。
3の『ビジネスをゼロから1にした実績があるか?』は、御社が新規ビジネスを展開する際には絶対にチェックしなければいけない実績になる。
生みの苦しみと言うくらい新規ビジネスには障害がつきもの。
新規ビジネスのマーケティング手法と経営判断は、何度か経験がないと無事に務め上げることは難しい。
5の『インターネットでの集客実績』についてはここまで読めばだいたい理解できる項目だと思います。
これは特にスモールビジネスの場合ですが、インターネットでの集客にスベッたらおしまいです。
しかし、集客がきちんとできるホームページというのは意外と少ないものです。
集客を成功させるまでには様々な要素が必要で、そのノウハウを持っている人材とういのはインターネット業界の中でも一握りです。
しかし『インターネットでの集客実績』は嘘はつけません。数字として出るものなので経営コンサルタントに開示させると良いでしょう。
その際の注意点は、直近のもの(3ヶ月~半年以内)のデータを開示させるようにしてください。
インターネットの世界は一日で変わります。
特に検索エンジン対策などは1年前の手法が全く通用しないといったことが少なくありません。
ですから、現在進行中の成功事例のデータを見せてもらう必要があるのです。
どうでしょうか。
経営コンサルタントとはどんなものなのか。そしてどのように選べば良いのか。
この課題は経営者にとってとても難しいものだと思います。
経営コンサルタントは戦国の世で言えば軍師です。
戦は軍師の戦略戦術で勝ち負けが決まります。
御社にとっての最高の軍師が決まることを祈っています。
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