Re-marketing

倒産の危機から予約の取れない店に成長させたマーケターのストーリー

フリー戦略を実店舗に導入!成功した無料サービスてんこ盛り作戦はコレだ

f:id:remarke:20150109152400j:plain

SEOに集客では重要なことは2つある。

 

1.ターゲットにしたキーワードで検索順位を上位表示してクリックしてもらう。2.閲覧したページからの予約件数を上げる。

 

1の上位表示については、全く問題がない。

お客様を増やすには2の予約件数を上げるしか方法がない状況。

 

WEBサイトにターゲットのユーザーからアクセスが集まっている状況では次のような施策を行って予約率を上げる。

  •  WEBサイトの画像やキャッチコピーの変更やサイト内での配置を変更してデータを取り、そのデーターを解析して予約率の高いページを作り上げる。
  •  予約ページの申込みフォームを改善して申込みのストレスを改善する。

 

僕は何度も何度も繰り返しデータ解析を行いながら上記の作業を行った。

その甲斐あって予約率がかなり増加した。

 

しかしある時、予約率が変わらなくなり一定数で止まってしまった。

WEBサイトの改善余地がなくなってしまったのだ。

 

実はこういうことは良くあること。

予約率はある一定数までは上がるのだが、それ以上上昇しなくなるようなケースは実店舗のマーケティングでは珍しいことではない。

これはWEBサイトだけのマーケティング限界値を意味する。

 

僕はこの状況を打破するためにあらゆる可能性を考えた。

そして僕はある結論にたどり着いた。

 

それは、2つある。

1.初回の無料サービスを増やすこと。

2.初回の割引率を大幅に上げること。

 

僕は2の割引率を大幅に上げることについては若干の心配があった。

それはブランド力の低下につながる可能性があるからだ。

ブランド力の低下はお客様にイメージダウンの印象を与えるだけではない。

働いているスタッフのモチベーションへの影響もある。

誰も安売りの店では働きたくないからだ。

 

結果的にはこれは成功だった。

予約率は伸びたし、スタッフのモチベーションは下がることはなかった。

実はスタッフのモチベーションを下げないための工夫をしたのだがそれは後ほど話すことにする。

 

1の無料サービスを増やすことは以外に簡単だった。

サービス業の場合、必ずオプションサービスというものが存在する。

そして、オプションサービスの中には人気のサービスが3つぐらいある。

僕は、その人気があるオプションサービスの中で人の手をほとんどかけないものを見つけることにした。

 

そして見つけた。

僕はこのサービスを初回無料にして集客の一つの目玉にする戦術をとった。

 

サービス業は人件費が占める割合が多い。だから、人の手は直接コストになる。

機械に一定時間預ければ完成するようなサービスやほんの一手間加えればよいサービス、また数百円の原材料を加えれば成立するようなサービスは無料にしたところで店舗のキャッシュフローに大した影響はないだろう。

 

実際、そのマーケティングを運用したところでプラスになることはあってもマイナスになることは何もなかった。

 

現在、WEBサービスの世界ではフリー戦略というものが当たり前のように行われている。

フリー戦略とは無料でサービスを利用させることで人を集客し、固定客となるお客様へ課金していくシステム。

クリスアンダーソンという著者が書いた『フリー 無料からお金を生み出す新戦略』という本が世界的ヒットになってからその勢いは加速された。

 

僕は全て無料にしたわけではないが、メインのオプションサービスを無料したことで集客したのでフリー戦略と言えるだろう。

日本では発売2009年11月25日第一刷発行となっているから、僕はこの本の発売以前に実店舗の世界でフリー戦略を実施したことになる。

これは少々自分でも驚きだ。

 

この数年後に美容業界、特に美容脱毛の世界で似たような戦略が主流になっていく。

実店舗マーケティングの一つのスタイルとなって今日存在している。

 

僕がこの戦略を実施することで学んだことはいくつかある。

それは経営やマーケティングの世界で繰り返し言われてきた事とは全く別のこと。

  • 無料サービスはブランド力を全く失わない。
  •  初回利用の大幅割引はブランド力を失わない。
  •  安心・安全・高機能・高品質といった言葉では集客できない。それはサービスを提供するための最低条件であり、予約ボタンを押す動機にはならない。

 

100円のコーラは1000円では売る方法みたいな本が必ず売れる。しかし現実にはそんな魔法は存在しない。

どのようなビジネスも既に蔓延しており供給過多だ。その中で差別化に注力するのは金脈を探し出す事と同じで、ただの博打である。

ビジネスの現場は机上の理論ではない。

ほんの一握りの成功例を掘り出して100円のコーラは1000円では売れると言い張るのは勝手だ。

ただし、経営者は博打をしてはいけない。

 

僕達は決して博打をしなかった。

価格を下げるだけでなく無料サービスをてんこ盛りにして、それでも尚且つ利益を出る方法を血眼になって探して成功したのだ。

 

 

「実話公開編 倒産危機から人気店へと成長させた全12話」カテゴリの最新記事

1.  プロローグ
2.  家賃滞納で立ち退き強制執行までカウントダウン!決断の時が来た
3.  経営戦略の再構築!?それが僕らの唯一の生存方法だった
4.  3つの経営戦略が人気店へのスタートラインになった
5.  幸運到来!?移転先の店舗物件が奇跡的に見つかる
6.  2つの秘策!戦う前に勝つことを徹底せよ
7.  マーケティングがあたった!強制退去からの起死回生
8.  集客は競合店の離客を徹底的に狙え!競合店への侵食は潜んでやるべし
9.  フリー戦略を実店舗に導入!成功した無料サービスてんこ盛り作戦はコレだ
10.このままじゃブラック企業!採用してもすぐ退職スパイルを断ち切れ
11.競合に真似されるようになった嬉しいこと?悲しいこと?
12.最終章、そして売上は5倍に。倒産の危機から業界のトップへ