Re-marketing

倒産の危機から予約の取れない店に成長させたマーケターのストーリー

3つの経営戦略が人気店へのスタートラインになった

ブレない経営戦略が勝利の第一歩

僕は生存するための経営戦略を練った。

背水の陣においての戦略は、生き抜くためには何が必要で何が不要かをハッキリと誰にでもわかるような戦略にしなければならない。

生きるか死ぬかの瀬戸際に余計なロジックは邪魔になるだけだ。

 

僕はリサーチを何度も繰り返し行い、戦略を幾度も練り直し、一番勝てる確率が高いマーケティング戦略を創り出した。

そしてその戦略を忠実に実行することによって我々が生存できるイメージを経営者とスタッフと僕自身に何度も刷り込んだ。

 

ここで大事なことは、マーケティング戦略を経営戦略としたことだ。

そして経営戦略は最低でも3年間は変更してはいけないことを全員に納得させた。

経営戦略は会社の軸だ。

軸は絶対にブレてはいけない。

経営戦略は常に会社のトップいなければいけない。

経営者もスタッフも、経営戦略のどんな命令にも異を唱えることなく経営戦略の奴隷となって勝利のために戦わなくてはならないことを徹底した。

企業の再生を行っていると必ずといっていいほど出くわすことがある。

それは再生途中でマーケティングプランに異を唱える連中が出てくること。

これは再生がうまくいっている時にも出てくるし、うまくいっていない時にも出てくる。

うまくいっている時に異を唱える輩は、再生後に自分の立場が危うくなる危機感からでしゃばる輩、もしくはうまくいっていることに乗じて火事場泥棒のように自分の手柄も加えたい輩のどちらかだ。

いずれにせよ、再生後に不要の人物達。

しかし、経営が傾いている時点で経営者にはこれらの輩を抑える力はもはや無い。

だかこそ最初に釘を刺しておくことが重要なのだ。

倒産しかけている会社が再生できない理由は何も外的要因だけではない、どちらかというと内的要因の方が大きかったりする。

敵は外ではなく内にアリだ。

僕はこれまで経験で嫌というほどそれを経験してきた。

 

これを徹底することでやっと大胆な変革をする土台が出来上がった。

これでやっとスタートラインに立てる。

 僕の作成した経営戦略

1.提供するサービスはお客様の時間を節約するものに限定する。

2.絶対防衛圏を策定しそのエリアは死守する。

3.経営判断はWEBサイト解析と顧客データ以外の要素を一切取り入れない。

上記の経営戦略は次のようなマーケティング戦略から成り立っている。

1.提供するサービスはお客様の時間を節約するものに限定する

僕は提供しているサービスを分析するためWEBサイトのアクセス解析とリサーチのためのリスティング広告を行った。

WEBサイトに分析を行えるだけの充実したコンテンツがあり一定のアクセス数が確保できている場合にはWEBサイトのアクセス解析だけでも良い。

しかし残念ながらアクセス数は雀の涙ほどしかない状況。

だからリスティング広告によってターゲットのユーザーがどのようなキーワードに反応するのかを見定める必要があった。


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この方法により以下のことが分析できた。

・提供しているサービスは既に供給過多となっている

・料金が安いものを探している

・現在の商圏に近いエリアならば検索数がある程度見込める

 

サービスが特に新しいものではなくサービス提供者が供給過多である場合は、ユーザーはそのサービスに対して何も特別なことは期待しない。

期待するのはコストパフォーマンスとそのサービスに取られる自分の時間だけだ。

現状でサービスを提供しているエリアが都市部であったため僕は時間に着目した。

唯一サービスに価値を与えられるのはそこしか無いと判断したからだ。

都市部に住んでいる人の時間に対する拘りは地方に住んでいる人と比較できないぐらいのものがある。

だからこそ、時間を節約するサービスというポジションを取ることによって他店のお客様を奪う戦略をとることにした。

そして、この戦略に当てはまらないサービスは全て無くした。

経営者やスタッフからの反発もあったが「経営判断はWEBサイト解析と顧客データ以外の要素を一切取り入れない」が功を奏した。

 

コストパフォーマンスについては元々悪くなかったが、問題はコストパフォーマンスが良いことがWEBサイトに演出されていないことだった。

WEBサイトのリニューアルによってこの問題は解決した。


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2.絶対防衛圏を策定しそのエリアは死守する

商圏については現在のエリアは絶望的な結論となった。

ほとんど検索されていないような状況だった。

しかし、比較的近いエリアで検索数があるのは不幸中の幸い。

移転をしても現在のお客様を失わずに済むからだ。

移転に関しては反対意見は全くなかった。

いずれにしても大家の強制執行により現在のビルを出ていかなくては行けないし、この立地に未来はないことは明らかだったからだ。

問題はそれを何処にするかという選択。

もう間違うことはできない。エリア選定のミスは即倒産ということになる。

僕はここで3つの候補をまず絞った。

この候補は完全にWEB分析のみで選定した。

そしてその候補地を自分の足で歩きまくった。もう寒い季節だからさすがに堪えたが信用できるのは自分の眼と肌で感じる空気感だけだ。

僕は歩きながら身体を冷えていく中で「必ずこの日の努力は報われる」と自分に何度も言い聞かせながら折れそうになった自分の心を支えた。

よくこういった行為を他人に任せる経営コンサルタントやマーケターがいるが、それは大きな間違いだ。

経営者としての眼で見る作業を他人に任せるなんて無責任極まりない。

あの明智光秀でさえ、坂本に城を構えて城主(大名)となってからでも自身の足で敵地に潜入した。

それほど自分の眼で感じるということは大事なのだ。

 

徹底的に自身の足で見た結果、候補のエリアを一つに絞ることができた。

しかし、そこは日本中だれでも知っている高級住宅街であり激戦区とされていた。

しかし「釣りは魚がいる場所でしなければ釣れない」が商売の基本であり僕が一番大事にしているマーケティングロジックだ。

 

上等の魚がいる場所がわかれば、あとは餌と仕掛けを工夫すればよい。

僕はそのエリアを歩きに歩きまわって探索している間にその餌も仕掛けも思いついていた。

それは僕が一番得意としている手法だった。

それはWEBマーケティング。

一見するとWEBと無関係なサービスを強引にWEBの世界に引きこむ戦術をとることにした。

これなら勝てる。

秀吉も連戦連勝だった理由は、戦を鉄砲と槍の世界から水攻めなどの自分の得意な土木工事に変えたことだ。

戦術は何でも良い。

要は戦いに勝つことだ。

 

僕はその戦術を経営者とスタッフに伝えた。

皆、口を開けてポカンとしていた。

たぶん自分達がやっていることとWEBがうまく結びつかなかったのだろう。

そして前例もない。

僕はこれなら必ず勝てると言い放った。

前例など気にすることはない。そもそもこれから進む道に前例などない。

いつか僕らが勝ち残った時、それが業界のあたらしいスタイルとなる。

商売は勝てば官軍なのだと。

 

そして数年後それは実際のものなる。

業界の新しいスタイルとなった。

しかし、それはまだこの時点ではわかる術はなかった。

ただの変人だと思われたかもしれない。

しかし、その変人の言葉を経営者もスタッフも信じてくれた。

今から思えばこの瞬間が勝利への第一歩だったと思う。

お店が人気店となったのは、決して僕の力ではない。

僕を信じた経営者とスタッフの判断力の結果だ。

 

 

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