Re-marketing

倒産の危機から予約の取れない店に成長させたマーケターのストーリー

2つの秘策!戦う前に勝つことを徹底せよ

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僕はこの移転先の物件を探す前、移転エリアを選定したときから既に秘策をスタートさせていた。

戦いは移転する前から既に始まっているからだ。

 

移転した時点でスムーズに集客出来るようにするためには、移転する前から集客していなければ間にあわない。

ここでの重要なポイントは集客の準備をしておくのではなく、既に集客できている状況を先に作ってしまうことだ。

余談だが、移転だけではなく新しく新店舗をオープンする場合にも同様の状況を作ることができると成功への可能性が飛躍的に高まる。

 

僕の秘策で重要なポイントは2点からなる。

1.ビジネスモデルの変更

2.SEOによる集客

 

ビジネスモデルの変更は、僕が作成した経営戦略の一つ『1.提供するサービスはお客様の時間を節約するものに限定する』に伴ったもの。

 

エリア選定をした時点で、立地の良い店舗物件を得ることが難しいことは安易に想像できた。

だからこそ、立地に左右されないビジネスモデルの構築が急務となる。

 

僕は、まず立地に左右されるサービスを全て削ることから始めた。

お客様が来店することによって成立するサービスは全て廃止した。

例えば店舗での物販販売などだ。

 

次に現状のサービスを来店しなくて済むサービスに変更した。

例えば宅配サービスやお客様から品物を預かり、サービスを施した上で返却するようなビジネスモデルだ。

このビジネスモデルは元々提供していたサービスであったが、どちらかと言えばオプション的なものだった。

 

それをオプションという立場ではなく、メインサービスとしたことが大きな違いだ。

これは完全にビジネスモデルの変更となる。

何しろ、お客様を待っていたのがお客様先に赴くのである。

これは店舗の運営システム自体の変更が必要となる。

 

このようにしてビジネスモデル変更の準備を着々と行った。

 

そして集客。

通常、実店舗の集客はポスティングチラシ、新聞折込チラシ、フリーペーパー等のタウン誌広告が通例となる。

実店舗の集客はWEBを使うことにあまり積極的ではなかったのだ。

実店舗は地域密着のビジネスモデルが多い。

地域密着型ビジネスの場合、検索数が少ないという状況は避けられない。

そのためため成功のイメージがわかない。

WEBで集客を行うためにはある一定の検索数を確保できないと成功しないからだ。

 

しかし、僕は経営戦略を作っている時から集客はWEB戦略を第一に考えていた。

いやWEB戦略ありきで経営戦略を作っていた。

 

僕はその当時、SEOによるマーケティングで結果を残していた。

SEOとはyahooやgoogleで検索したときの表示結果を上位表示するテクニックだ。

 

検索結果が上位表示されれば、もちろんクリックされる回数も多くなり集客できるチャンスが多くなる。

 

僕はこのSEOスペシャリストだった。

 

通常、このSEOはある一定のエリアを対象とするようなビジネスではなく全国規模のビジネスやEコマースなど全世界に向けたビジネスに用いられる戦術。

 

だから、ある一定の限られた狭いエリアにSEOを施すことは僕にとって難しい仕事ではない。

問題は、少ない検索結果をどのように有効的に使うかということだった。

 

僕は移転エリアとその周辺エリア全てを掌握することにした。

店舗から7キロ圏内であれば、検索ユーザーはWEBサイトから離脱しないことはリスティング広告でのリサーチでわかっていた。

だからその7キロ圏内のキーワードは全てSEO施策により抑えることにしたのだ。

 

地域名と一言で言っても実に様々なものがある。

例えば新宿区のエリアであれば、検索されることが多いキーワードは新宿区だけではない。

歌舞伎町もあれば韓流で有名な新大久保もあれば高田馬場だって新宿区である。

 

僕はそういった細かいエリアのキーワードも全てSEO施策を行い取りこぼしの無いように集客することにした。

 

これにより、少ないと思っていた検索数はそのエリアのキーワードを圧倒的に支配することで十分に補うことが可能なレベルまで引き上げられた。

 

あまりWEBマーケティングに詳しくない方にはさっぱりわかないと思うので簡単に説明すると以下のようなことになる。

 

  • インターネットの集客は本来全国規模や全世界規模の集客に使うものだが、地域密着のお店でもインターネットで集客可能な手法を編み出した。
  •  実店舗の立地では他店に負けているので、WEB上での立地である検索結果では上位を独占して勝つ。

 

僕はこの集客方法が成功のための軸として考え、その秘策に効果的なサービスをメインにして、それ以外にサービスを捨てることにした。

要するに採用する集客方法に伴ってビジネスモデル自体を変更した。

 

ビジネスモデルありきではなく集客方法ありきとしたことに大きな意味を持つのだ。

 

これにより、新店舗の立地選定への負担がかなり軽減されたし、余分な贅肉を無くすことができたのできるという希望からキャッシュフローへの心配が軽減された。

 

戦う前に既に勝っているという状況を作るのが孫子の教えだ。

これは常勝の鉄則である。

 

移転先でこの状況を作るために僕は着々と準備し勝つための状況を作りあげていった。

 

僕は、この時点で移転の恐怖は微塵もなかった。いや僕だけではなく経営者もスタッフもなかったと思う。

なぜなら、移転を待たずして移転先のエリアのお客様から予約が入り始めていたからだ。

 

 

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