競合に真似されるようになった嬉しいこと?悲しいこと?
移転して2年が過ぎた頃のおはなし。
僕の携帯電話が鳴った。
「リスティング広告間違ってない。お店の名前が違うよ・・」と経営者が伝えてきた。
僕は「この人何言ってるんだろ?そんなミスするわけないじゃん。何も変更してないし・・」と半分キレながらパソコンを開いてyahooとgoogleを確認してみた。
そしたらなんと、一字一句全く同じリスティング広告が掲載さている。
しかも割引率まで同じだ。
違うのはURLだけ・・。
たぶん検索ユーザーからは同じ広告が複数掲載してあるように見えるだろう。
これは調査が必要と判断し、広告のリサーチを開始した。
同じ広告は1社だけではないことを確認できた。
「これは業者の仕業だな」と僕は判断した。
移転して2年経過した時点で、1店舗あたりの顧客数は世界でもトップクラスになっていた。
その噂を聞きつけて他店からのスパイと思われる人物が店舗に見学に来ているとの報告も受けていた。
しかし、こういうえげつないやり方はプロだ。
僕の予測では、リスティング広告代行業者もその噂をどこかで聞きつけて競合店に営業をかけたに違いない。
「この店は広告で儲かっています!これと同じように広告を出稿すれば儲かります」といった具合に。
「とても面倒なことになった」僕は何度もつぶやいた。
広告でマネされる状況が起こると広告費をかけて打ち合い(潰しあい)で勝つ必要が出てくる。
まだ、移転前の負の遺産が残っているため、キャッシュフローに負担をかけたくなかった。
こういう状況は他のクライアントでは何度かある。
真似は必ずされるからだ。
しかし、他のクライアントでは広告費に多少の余裕はあった。
しかし、この店舗は違う・・。
僕も真似されることは予想していた。
しかし僕の予想ではもう少し後にこの状況がやってくるはずだった。
とりあえず経営者にこの状況を話すことにした。
そしてミーティングを行った結果、結論を出した。
結論は・・
「真似した輩を潰しましょう。皆殺しにしましょう」だった。
こういう場合、イケイケの判断ができる経営者は必ず勝つ。
僕はこの戦いに勝てると信じた。
それからは広告コストをかけた潰しあいに突入した。
真似した競合店が広告掲載しているキーワードにも出稿し、僕らが潰しにかかっているメッセージをきちんと相手に伝えた。
この時点でマネした競合店の広告費用は大きく上がったはずだ。
しかも、費用対効果は大きく下がっている。
リスティング広告代行業者に「広告コスト上昇して予約が増えない」といった苦情が出ることは間違いない。
膨れ上がる広告費にうんざりして、広告自体から撤退する店舗が出てくるに違いない。
そして潰しあいが功を奏したのか、真似広告がなくなってきた。
どうやら、広告自体をやめたり広告文章を変更したようだ。
実は潰しあいを挑んだのはほんの2ヶ月程度で終わった。
色々広告の文章を試しているうちにこれまでも広告文章よりもっと広告効果のあるものが作れたからだ。
そしてその新しく作った広告は他店では真似できないような文言を入れた。
今では、戦いを挑んできたリスティング広告代行業者に感謝している。
おかげで、新しくすばらしい発見ができたから。
ライバルがいるおかげで成長できるのはスポーツだけではなくビジネスでも同じだ。
そして何よりの収穫は、移転してから2年が経過し堂々と潰しあいという戦いができるほどの戦闘力がついていることが確認できたこと。
色々なことを経験してきたことせいか、逃げずに全力で戦うメンタルが経営者、スタッフ、そして僕にも備わっていることがとても嬉しかった。
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